| クレームの原因の多くはコミュニケーション不足 |
| 病院の現場においては、日々ちょっとしたことから患者様のクレームが生まれます。最前線の職員の方々が良かれと思って対応しているにも関わらず、些細なことがクレームになるのです。しかし、クレームには原因があり、その多くは「職員の説明が明確でなかった」「職員間の連携が不充分だった」といった、コミュニケーション不足から生じているのが実情です。
したがって、もしもみなさんが「患者様方に安心していただき、快適に診察を終えて帰っていただきたい」と考えているのなら、まずは自身のコミュニケーションのとり方を見直すことが先決です。では、「コミュニケーションを密にする」ためには、どのようにしたらよいのでしょうか?
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| コミュニケーションは打ち解けることから |
| 生き物は、初めて遭遇した相手がどのような存在か判らなければ、警戒します。反面、相手が判れば、安心するようになります。この性質は、防衛本能と言ってもいいかも知れません。そして、これはわたしたち人間にも当てはまることです。「相手が、どのような人なのか」「どのような考え方をしているのか」「何を大切にしている人か」「どんなことに怒る人なのか」そうした性格が判れば、その人の行動が判ります。行動が判れば、付き合い方を想像できるので、相手に近づけるようになるのです。
したがって、コミュニケーションを築くにあたっては、自分をできる限り開示して、相手を安心させることから始めるのが一番なのです。これを、『ディスクローズ法』と言います。自分がどのような人間か、をどんどん伝えるようにしてみてください。
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| ディスクローズ法を実践してみよう |
| ディスクローズ法を実践するなら、まずは職員間で積極的に自分のことを打ち明けることから始めてみましょう。仕事の席でも、宴席でも、どんな時でも結構です。「こう見えてB型です」「泣ける映画が好きで、よく観て泣いています」「最近ビリーズブートキャンプを始めて3週間目です」といった情報から、「しっかり者に見えて、実は五人兄弟の末っ子です」「実家は、豆腐屋です」「子供の頃アメリカに住んでいました」などの意外な一面まで、「個人情報だから言いたくない」などと言わず、どんどん開示してみてください。共通点や、耳寄り情報が必ず出てきます。
「気難しそうな課長も、映画で泣くなんて、熱い人なんだ」「今度主任に、美味しい豆乳の見分け方を教えてもらおう」など、今までになかった新たな接点が生まれるきっかけになるでしょう。これらは業務に直接かかわりのない対話(コミュニケーション)ですが、これがあるから互いをより良く知ることができ、そして信頼関係も築かれ、業務にかかわる必要な対話(コミュニケーション)が的確にできるようになるのです。
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| 患者様に対して何事も開示することが大切 |
あるタクシーでは、後部座席に腰かけた乗客のちょうど目の前に「腕よりも心で運転する○○○○(名前)」と印刷されたプレートを取り付けて、ポリシーを開示しています。また、ある路線バスでは、運転席の近くのネームプレートに「安全と快適を提供します」という印字とともに、「優しい運転を心掛けます」と、運転士さん自身が手書きしたものを掲示しています。会社と運転士さん個人のポリシーの開示です。
また別の路線バスでは、最近プレートに「運転士」と書かずに「サービス・クルー」と書いて掲示しています。これも、「お客様には運行を提供するだけではなく、すべてに心配りする」という思いが開示されているものと考えてよいでしょう。
医師が医療、看護師が看護、検査技師が検査・・・と、黙って担当業務に専念するばかりでは、来院者様にはみなさんの想いは伝わりません。ぜひ、病院の想いを開示し、職員の方々のことや気持ちを伝え、来院者様方とのコミュニケーションの端緒にしてください。
医療機関においての、来院者様に対するディクローズを考えるヒントは、タクシーやバスや街なかにもたくさんあるのです。様々なディスクローズの方法があります。患者サービス研究所からも各病院様に提案しておりますが、まずは前述のように、職員の方々同士で積極的にディスクローズ法を実践することから始めてみてください。「看護婦さん、名札見るとあなた○○県出身?嬉しいな、ぼくもですよ」「いつも笑顔でのお会計を心がけてくれてありがとう。わたしも見習わなきゃ」「薬袋に担当薬剤師さんの名前と『薬のことなら何でも訊いて下さい』というメッセージが書いてある。安心だね」ディスクローズ法を続けてゆくと、そんな声が聞こえてくるようになります。 |
患者サービス研究所 三好 章樹
〈略歴〉
1965年生まれ、明治大学法学部卒業。
医療事務職員養成校専任教員、医療事務スクール運営事務局、医療機関専門人材派遣会社(株式会社日本教育クリエイト)営業兼コーディネーターを経て、2005年8月患者サービス研究所開設。
患者サービス向上、接遇マナー、モチベーションアップなどの講師として活躍中。
URL:http://www.pcs-c.com
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