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医療人インタビュー

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病院発の患者サービスが
地域イベントに発展する

医療法人社団 こうかん会 日本鋼管病院 リハビリテーション科 主任科員 錠内 広之氏

“地域に根ざした医療”を基本理念に、創立以来一貫して地域のニーズに応じた医療活動を続ける日本鋼管病院。さまざまなカタチで地域・社会貢献活動を行う同院に、地元密着型の患者サービスについて聞いた。

—貴院が実践されている患者サービスはどのようなものでしょう?
和太鼓演奏会 日本鋼管病院には、”芸能部“という部門があります。これは、病院スタッフや関連事業者のスタッフなど、60名ほどのメンバーが構成するボランティア組織で、入院患者さんやご家族の方、町内の方に向けて、毎月1回、日曜日にレクリエーション・イベントを開催しています。イベントの内容は、プロやセミプロによる落語、合唱、吹奏楽、ダンス、ゴスペルなどバラエティーに富んだもの。スタートから3年間で22回の開催を数えます(2008年4月14日現在)。  ボランティア活動ということで、当然お金はかけられません。そこでイベント会場には、日本鋼管病院併設のクリニックの一階を使い、パフォーマーの皆さんも川崎の福祉関係施設に張り紙を出して参加を募るなど、ボランティアの形で協力してもらっています。
—取り組みを開始されたきっかけは?
 病院には、悪く言うと陰気なイメージがついて回ります。医療関係者の中には、こうしたイメージを当然のものとする人もいますが、本当にそれでいいのでしょうか? 「入院中の患者さんに、ひとつくらいは楽しい思い出をつくってほしい!」そんな想いを実現するために有志が集まり、活動を始めました。
—患者さんの反応はいかがでしたか?

 イベント自体は初回から大盛況でしたが、いくつか想定外の事態も発生しました。開催が冬だったので「寒い」という声があがったり、ご年配の方のためにおむつが必要になったり、目の見えない方の対応が必要になったりと、事前の準備ができていなかったことによる問題です。  こうした経験から、芸能部ではイベント後に必ず反省会を実施し、参加された患者さんの声を次回のイベントに反映する仕組みをとっています。また、運営上の課題だけでなく、夏場は若い人の比率が多いからバンド演奏にしよう、冬場はお年寄りが多いから落語が良いと、イベントの内容についても議論していますね。  その甲斐あってか、患者さんやご家族から感謝の言葉を多数いただき、今では近隣の方も来場されるなど、一種の地域イベントになっています。

—患者サービス成功の鍵は?
 当院では芸能部以外にも、園芸部、クラブ、労働組合など、さまざまな活動をしていますが、それぞれの根幹となっているのは、密なるコミュニケーションであり、スタッフ同士のヨコ連携でしょう。大きな病院ではなかなか難しいことですが、こうした風土があってこそ、トップダウン方式ではなく、芸能部のような自発的な活動が実現するわけです。
—ズバリ、患者サービスとは何でしょう?

 芸能部のイベントを例にすると、喜んでいただくためにはビジュアル的な楽しさよりも、共感していただくことが大切になってきます。これは普段の医療業務にもいえることで、お話する中で相手の心を捉えられる医療職であれば、患者満足度は上がるのです。患者さんはさまざまな悩みを抱えています。コミュニケーションを密にし、心のケアをしてこそ、初めて患者サービスと呼べるのではないでしょうか。

日本鋼管病院

医療法人社団 こうかん会 日本鋼管病院

神奈川県川崎市川崎区鋼管通1-2-1
TEL.044-333-5591
http://www.koukankai.or.jp/