6名のフィリピン人ヘルパーが介護保険型療養病棟で働く、先進
的な病院。それが、多くのマスコミの取材を受け、いま最も注目さ
れている病院の一つである「永生病院」のイメージだ。その先進性
はこれまで、患者サービスの点でも活かされてきた。患者サービ
ス向上を目指す上で、心掛けるべきポイントについて聞いてみた。 |
| —貴院の特色は? |
ケアミックス型の病院で、特に慢性期
の医療を行なっています。介護保険療養
施設や医療保険療養施設など介護・リハ
ビリ部門に力を入れており、リハビリス
タッフは100名を超し都内でも2、3
番目に多い。患者様満足度は、調査を始
めて以降、評価が上がり、成果が現れて
います。
また、聖路加看護大学の実習や、地域
の学生の就労体験を受け入れるなど、高
いレベルの医療・看護、患者サービスを
実現しているという自負もあります。 |
| —患者サービスという点で気をつけている
ことを教えてください。 |
| 「接遇」や「療養環境」に関してよく言わ
れますが、より根底にあるのはやはり「患者様とのコミュニケーション」だと思い
ます。
コミュニケーションを築く上で最も大
切なのは「傾聴」。病状や健康不安につい
て聞くのはもちろん、患者様が抱えるあ
らゆる悩みに耳を傾けることが必要です。 |
| —ホームページに患者さんの不満の声が掲載されているのを見ました。 |
患者様からの投書受け付けは
20
年ほ
ど続けています。以前と比べ、患者様の
権利意識が高まっているため、意見は
増加傾向にあります。不満の声に関して
は、個人への誹謗中傷以外は基本的に掲
載し、対応も合わせて示すようにしてい
ます。
患者様への対応については日々指導
を行っているものの、各スタッフにとっ
ては、患者様から直接いただく声の方が
より重みがあります。普段意識が回って
いないことへのご指摘により、新たな気
づきが生まれ、スタッフの成長へとつな
がっていると感じています。
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| —どんな声が多いのでしょう? |
| 入院患者様からは「食事面」を、通院患
者様からは「待ち時間」についてのご指
摘を受けることが多いです。
ーその声を改善へと活かすことができてい
ますか?
食事に関しては、給食業者を変更した
り、食器を新しくするなどの改善を行っ
ています。また、待ち時間緩和への取り
組みとしては、基本的に予約制をとるこ
とで不満解消に努めています。 |
| —ほかにはどのような取り組みをしていますか? |
患者様へのアンケートを病棟ごとに
とっていまして、言葉遣いやプライバ
シー面、処置技術、清掃が行き届いてい
るかどうかなど、詳細にご回答をいただ
いています。
また、医師に対しては、看護師などス
タッフからの評価も加えて判断する仕組
みになっています。さらに院長や理事長
が直接面接をし、指導するようにしてい
ます。
患者様と医師との間のコミュニケー
ションが密で、信頼関係が生まれていれ
ば、看護師や介護スタッフの対応もス
ムーズに進めることができますので、特
に重視して取り組んでいるのです。 |
| —地域の皆さんとの交流も積極的に行って
いるそうですね? |
| 大きなものでは、毎年9月に「永生フェ
スティバル」というイベントを開催して
います。入院患者様のご家族に案内状を
送付するなどして、1200名程度の方
に集まっていただいています。
ほかにも、看護の日や、四季折々の行
事、介護者講習などを数多く行い、患者
様や地域のボランティアの皆様と直接触
れ合う場を増やすようにしています。
直接お会いしてお話することで、アン
ケートでは拾うことのできない意見を集
められますし、今後の改善策・対応につ
いて詳しく説明することもできます。こ
ういった場はできる限り多く持つべきだ
と考えます。
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—患者サービスにおいて難しいことは何で
しょう? |
| よく「普通が大事」と言われますが、そ
れが一番難しい。
たとえば接遇においては笑顔が基本で
すが、ときには笑顔が患者様を傷つける
ケースもあります。医師に深刻な話をし
ているときに、近くにいる看護師が微笑
んでいたら、気分が悪いですよね? で
すので「むやみに笑うな」というような
注意もしています。
日々「常識」「普通」といった言葉を意識
し、自分たちの行動を見つめ直して、改
善を繰り返していくこと。その先に、患
者様の満足向上があるのだと思います。 |
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