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病院マネジメント入門

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新人研修からみえたもの-1-

ISOマネジメントシステム審査員(品質・環境) 進士 君枝 氏

医療現場で実施できる患者とのコミュニケーション法を、 新人研修時代を思い返し、再度見直していきましょう。

 病院の接遇研修は、講師を招いて「接遇マナー、お辞儀の仕方、敬語の使い方」など集団で行う研修会が一般的でしょう。病院機能評価でも全員対象の接遇研修などの取り組みを評価しています。ただし欠席した職員へ伝達の仕組みは必須で、委託職員も含めて行う研修が望ましいでしょう。最低、年2回の接遇研修は必要ですし、繰り返し行なったり、職種別あるいはその人に適した研修方法が望ましいのですが、特に医療に特化した具体的な事例をもとにしたケーススタディなどが効果的であると思われます。
 私も昨年グループディスカッションを頻繁に取り入れた新人研修および中途採用職員研修の講師を担当しましたが、今回はそれらについて2回に分けてご紹介します。

求められる医療人 そして今なぜ第三者評価なのか
 大きく揺れ動く医療情勢の中、「病院がなぜ第三者評価を受けなくてはならないのか」、「求められる医療人とはどういう人を指すのか」というテーマのもと昨年4月、3ヵ所の病院で新人研修を担当しました。
 高度医療を目指す臨床研修指定病院では、病院機能評価の受審を避けて通ることができません。さらに、医療を取り巻く社会構造変動や、消費者の意識が高まる中、むしろ積極的に第三者評価を受けることで、病院機能の向上を図らなければなりません。そういう時代に今年もまた多くの新人医療人を迎えます。
 「医療人としての大切なことは何だろう」との原点に戻り、昨年の研修会では、職種の壁を取り払い、同じテーマをもとに対話やグループディスカッションに取り組みました。その結果、求められる医療人像は次のようなものが浮かび上がりました。  
医療事故を未然に防ぐために新人としてできること
 研修最後に新人参加者に「患者さんにとって心に残る医療とは?医療事故を防ぐためにあなたができること」のテーマでアンケートを実施しました。下記のグラフからも読み取れるように、医療人として未然に事故を防ぐために取り組むべきことの第一として、「連絡・報告・相談を行う」「先輩からの助言を受けること」という結果が出ました。次いで、「チームで協力し合い、内部コミュニケーションをとること」があげられ、先の項目と連動した答えが得られました。これは医療機関に限らず、複数人の組織として連携していくためには必要不可欠な行為であるとともに、今日からすぐにでも、また誰にでも実行できる行為です。
 コミュニケーションとは、「言葉・身振り・文字」などを通して伝えるべき内容が共有できることを指しています。日常の業務で細心の注意を払い、新人に限ることなく医療従事者全員で取り組みたいことですね。
 さらには「業務に対して最新の注意を払い、緊張感をもつこと」や「疑問点を確認すること」といった自身の業務態度が惰性にならないために常に心がけておくべきことがあげられています。ヒトは新しい環境におかれたときに細心の注意が働きますが、環境に慣れが生じたときには、ミスを起こしやすくなります。人間の持つ集中力の限界は個人差はありますが、最大2時間と言われています。環境に慣れることも大切ですが、慣れの怖さも知っておく必要があるのです。
 ほかの意見では「自身の体調管理、心に余裕をもつこと」といった内容もあげられています。日常的に仕事に追われることで心に余裕が持てなくなり、さらには体調にまで悪影響を及ぼすということにもなりかねません。仕事のリズムを作り、自身の健康管理にも心がけていくことが大切です。  医療人としてコミュニケーションを欠くことがないよう、向上心を常に持ち続け、取り組んでいきたいものですね。
(次回は、患者さんの心に残る医療とあなたの目指す医療についてお話します)  
アンケートとその結果
結果

ISOマネジメントシステム審査員(品質・環境) 進士 君枝

〈略歴〉
東京都福祉の第三者評価、病院機能評価、人間ドック検診機能評価受審支援の傍ら、日本初医療PFI採用の高知医療センターの立ち上げや、PFI導入による都立病院再開発整備事業の開設準備にも関わった。 現在、全国の病院にアドボカシー室設置支援展開中。河北総合病院、立川中央病院アドボカシー室長を経て独立、SSLマネジメントオフィス代表。
本年3月には日本総合診療医学会にて発表、アドボカシー普及の第一人者として著書、講演も多い。
SSLマネジメントオフィス:http://www.shinshi-kimie.com/